yama1931’s blog

長編小説とエッセイ集です。小説は、明治から昭和の終戦時まで、寒村の医療に生涯をささげた萩市(山口県)出身の村医師・緒方惟芳と彼を取り巻く人たちの生き様を実際の資料とフィクションを交えながら書き上げたものです。エッセイは、不定期に少しずつアップしていきます。感想をいただけるとありがたいです。【キーワード】「日露戦争」「看護兵」「軍隊手帳」 「陸軍看護兵」「看護兵」「軍隊手帳」「硫黄島」        ※ご感想や質問等は次のメールアドレスへお寄せください。yama1931taka@yahoo.co.jp

2019-01-04から1日間の記事一覧

杏林の坂道 第一章「出郷」

杏林の坂道 第一章「出郷」 (一) 四月から五月にかけて、黄河流域から舞い立った黄砂が、偏西風に乗って山陰のこの海岸一帯を襲うことがある。しかし今日は朝から空は抜けるような青一色。この蒼穹を背景にして、指月山(しづきやま)は翠滴るばかりの青葉若…