yama1931’s blog

長編小説とエッセイ集です。小説は、明治から昭和の終戦時まで、寒村の医療に生涯をささげた萩市(山口県)出身の村医師・緒方惟芳と彼を取り巻く人たちの生き様を実際の資料とフィクションを交えながら書き上げたものです。エッセイは、不定期に少しずつアップしていきます。感想をいただけるとありがたいです。【キーワード】「日露戦争」「看護兵」「軍隊手帳」 「陸軍看護兵」「看護兵」「軍隊手帳」「硫黄島」        ※ご感想や質問等は次のメールアドレスへお寄せください。yama1931taka@yahoo.co.jp

2018-10-21から1日間の記事一覧

杏林の坂道 第十六章「困苦に耐えて」

(一) 村長をはじめ多くの村民の悲しみのうちに、村葬は立派に終わった。その日を境にして幸は毎日、暁暗(ぎょうあん)の仏前で灯明をあげ香を焚き、『修証(しゅしょう)義(ぎ)』の「第一章 総序」を低唱した。 生(しょう)を明(あき)らめ死を明らむるは仏家一…