yama1931’s blog

長編小説とエッセイ集です。小説は、明治から昭和の終戦時まで、寒村の医療に生涯をささげた萩市(山口県)出身の村医師・緒方惟芳と彼を取り巻く人たちの生き様を実際の資料とフィクションを交えながら書き上げたものです。エッセイは、不定期に少しずつアップしていきます。感想をいただけるとありがたいです。【キーワード】「日露戦争」「看護兵」「軍隊手帳」 「陸軍看護兵」「看護兵」「軍隊手帳」「硫黄島」※ご感想や質問等は次のメールアドレスへお寄せください。yama1931taka@yahoo.co.jp

草取りを終えて

 草取りを終えて

 

 

 草取りのいつまで続くこの身かな

 

 一茎の草にも無数の細い根が

 

 草花の咲くも根毛(こんもう)あればこそ

 

 草取りは自然に親しむことなりき

 

 亡き妻を探せば庭の草むしり

 

 人は皆良き根を伸ばせ深々と

 

 深き根を伸ばす教育廃(すた)れたり

 

 浮(うわ)ついて華やかさのみ現社会

 

 大都会草なき道を急ぎ足 

 

 科学には自然破壊の裏面あり

 

 豊かなる自然を残せ政治家よ

 

 この自然破壊は止めて利用せよ

 

 自然界草木も共に生きている

 

 舗装道咲ける菫の逞しさ

 

 田圃道これも花かと腰屈め

 

 これ迄は無視した草に目を寄せる

 

 世の中に緑の草のなかりせば

 

 オアシスを実地に歩く懐かしき

 

 楼蘭も昔は緑豊かなり

 

 敦煌や今懐かしき仏たち

 

 草取りて思いは遥かゴビ砂漠

 

 

 

 

     孫の高校入学

 

 

  高校に入学した孫大人びる

 

  何にも代えがたきかな孫育つ

 

  高校に入った孫が元気呉れ  

 

  十五歳昔は此の齢元服

 

  亡き妻の日記に躍る孫誕生

 

  老いた身はゆるりそろりの下り坂

 

  惚け防止散歩と読書続けたし

 

  老いてなお感謝充実その日々を

 

  健康な壽命であって喜ばし

 

  人の手を借りて長命悲しけり

 

  願わくば一人暮らしの幸せを

 

  卒寿過ぎ感謝をこめて日を送る

 

  朝に夕香炉の煙鉦(かね)の音

 

  ありがたや無事に一日終わりけり

 

    

2024・4・11 記す