yama1931’s blog

長編小説とエッセイ集です。小説は、明治から昭和の終戦時まで、寒村の医療に生涯をささげた萩市(山口県)出身の村医師・緒方惟芳と彼を取り巻く人たちの生き様を実際の資料とフィクションを交えながら書き上げたものです。エッセイは、不定期に少しずつアップしていきます。感想をいただけるとありがたいです。【キーワード】「日露戦争」「看護兵」「軍隊手帳」 「陸軍看護兵」「看護兵」「軍隊手帳」「硫黄島」        ※ご感想や質問等は次のメールアドレスへお寄せください。yama1931taka@yahoo.co.jp

2018-12-22から1日間の記事一覧

杏林の坂道  第十章「村人たち」

(一) 山陰線は地形上、山陽線に比べてトンネルが多い。とくに宇田郷駅を間に挟んで、木与駅と須佐駅の間は異常なほどで、長短十二ものトンネル(現在は線路改修で十本)があった。また山陰線が開通したとは言え、宇田郷村は僻遠の地に変わりはなく、一時村…