yama1931’s blog

長編小説とエッセイ集です。小説は、明治から昭和の終戦時まで、寒村の医療に生涯をささげた萩市(山口県)出身の村医師・緒方惟芳と彼を取り巻く人たちの生き様を実際の資料とフィクションを交えながら書き上げたものです。エッセイは、不定期に少しずつアップしていきます。感想をいただけるとありがたいです。【キーワード】「日露戦争」「看護兵」「軍隊手帳」 「陸軍看護兵」「看護兵」「軍隊手帳」「硫黄島」        ※ご感想や質問等は次のメールアドレスへお寄せください。yama1931taka@yahoo.co.jp

2018-12-02から1日間の記事一覧

杏林の坂道 第十二章「硫黄島への軌跡」

(一) 繰り返して言うが、惟芳が先妻のシゲと結婚したのは大正二年一月である。第一次世界大戦が勃発する五カ月前の事である。シゲは二人の男の子を生んだ。長男の芳一が生まれたのは大正三年四月である。寅年生まれである。次男の勇夫は大正七年十月に生ま…